米企業がJPEGの特許ライセンスを主張 〜ソニーが支払いに応じる
米国テキサス州に本拠を構えるビデオネットワーク関連メーカーForgent
Networksは、11日(現地時間)に発表したリリースの中で、画像圧縮技術“JPEG”に関した基本特許ライセンスを主張、同技術を利用する企業に対してライセンス料の支払いを求める活動を行なっていく考えを明らかにした。
同社は子会社であるCompression
Labsが所有する特許(米国特許番号4,698,672)に基づいて、衛星放送ビジネスを除いた“あらゆる分野”におけるJPEG利用についての唯一かつ独占的な使用権を持つと主張。
同社の言う“あらゆる分野”とは、デジタルカメラ、PDA、画像のダウンロードのできる携帯電話、ブラウザ、静止画機能付きデジタルカムコーダー、スキャナおよびデジタル画像を圧縮/保存/調整/印刷できるデバイスとなっており、文字通りあらゆるデジタルデバイスメーカーに対してライセンス料を要求する構え。
同社はJPEG技術を用いるデバイスメーカーとライセンシングについて協議を行なっている最中としているが、6月10日(現地時間)に発表されたリリースによると、同特許に基づいたライセンス契約をソニーと締結したとされている。
同社がSEC(米国証券取引委員会)に提出した報告書によれば、そのライセンス料は1,500万ドル。この点について、編集部がソニーに電話取材を行なったところ、「確かにForgentとはJPEG特許についてライセンスを締結した。金額については、そのくらいである」(広報センター)とその事実を認めた。
Forgentのリリースを受けてJPEG委員会のRichard
Clark氏は19日(現地時間)、コメントを発表した。
Clark氏は、Forgentの主張する特許は、JPEG(ISO/IEC
10918-1)のベースラインを含んだ多くの技術で採用されている「ラン・レングス・コーディング」に関連している可能性があるが、同技術には先行技術があるとし、先行技術の存在についてWebサイトを立ち上げて広く情報を募集し、同社に対抗していく考えを明らかにした。
すでに事実上の標準技術として広まっているライセンスフリーの技術について、特定の企業がいきなり特許所有の表明とライセンス料の要求を開始した例としては、UnisysのGIF問題が記憶に新しい。
□Forgentのホームページ(英文) http://www.forgent.com/ □ニュースリリース(英文) http://www.corporate-ir.net/ireye/ir_site.zhtml?ticker=FORG&script=410&layout=-6&item_id=314044 □JPEG委員会のホームページ(英文) http://www.jpeg.org/ □ニュースリリース(英文) http://www.jpeg.org/newsrel1.htm □ソニーのホームページ (7月23日現在、この件に関する情報は掲載されていない) http://www.sony.co.jp/ □関連記事 【2000年2月10日】【集中企画】
GIFライセンス問題についてわかるページ(INTERNET) http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2000/0210/lzw.htm
(2002年7月23日)
[Reported by wakasugi@impress.co.jp]
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